春蘭 シュンラン Cymbidium goeringii
日本春蘭は、北は青森から南は九州までわが国のいたるところで採取される親しみの深い花です。昔からジジババ、ホクロ、ハクリと呼ばれ3〜4月に緑色の可愛い花を咲かせます。その中から赤花・朱金花(オレンジ)・黄花・紫花・変わり花など、バラエティに富んだ花色、花形や、葉芸品などと呼ばれる縞・中透・覆輪・虎斑・蛇皮斑などが長い年月をかけて採集され、その奥の深さに見る人を魅了しています。

また中国春蘭は日本春蘭のように色彩の変化はありませんが、翡翠のように純粋な透明感があり、清楚で気品あふれる花や、なんともいえない空間の美を持つ葉姿、気高い芳香は東洋の心。日本のわび・さびに通じるものがあるといえます。

どちらも栽培が容易で、寒さにも大変強く丈夫です。ぜひこの機会に人々の心をいやし、やすらぎを与えてくれる春蘭を、お手元に1鉢置いてみませんか。
植え込みの要領
12ヶ月の栽培カレンダー
栽培管理のポイント
・冬は、低温の所でしっかり休ませる。
・「ねる子は育つ」というように最低温度が5℃の所に60日間あてるようにする。水やりはあたたかい日の午前中。
・春からの成長期は、水のやりすぎに注意(乾温のリズムをつける)。やる時は鉢底から流れ出るまでたっぷりやり、鉢の中の空気をいれかえる。
 夏の水やりは夕方から夜にかけてやる。
・梅雨明けから秋までは一番気をつかう時期です。自生地のような環境に近づけてやり、できるだけ風通しをはかり、むれないようにする。
・肥料は、置肥は少なめ。水肥はうすめと心がけてください。与えすぎは禁物です。
・植え替えは2〜3年に1回。秋の彼岸頃から5月下旬までの間できます。
肥料・活力剤
・固形肥料 よく発酵した有機固形肥料
・(置肥) 4.5〜5.0号鉢で3〜5粒ぐらい。
・液体肥料 規定の倍率より2〜3倍にうすめる。
・(水肥) 5,000〜3,000倍を成長期に月に1〜2回ぐらい。
殺菌剤
・ジマンダイセン 葉枯病 500倍
・ベンレート タンソ病 1,000倍
・ダコニール 軟腐病、立枯病 1,000倍
殺虫剤
・マラソン乳剤 アブラムシ 1,000倍
・スプラサイド カイガラムシ 1,000倍
・コテツフロアブル ミナミイロアザミウマ 2,000倍